(株)鹿光生物科学研究所は食品の分析及び開発受託を請け負う分析機関です。天然着色料の取り扱いには自信があります。

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ウコン色素

名称 ウコン色素/Curcumin・Turmeric Oleoresin
概要 「本品は、ウコン(Curcuma longa L.) の根茎から得られた、クルクミンを主成分とするものである。食用油脂を含むことがある。(第9版食品添加物公定書)」
INS No. 100又は100(i) E No. E100
色調 黄色 染着性
溶解性(水) 溶解性(油)
耐熱性 耐光性 ×
金属の影響 タンパクの影響 なし
分類 既存添加物/食品添加物公定書
特徴 アルカリで赤褐色/水への溶解性低い
ニチノーカラー TM(液体)
食品への表示例 ウコン色素、ターメリック色素、着色料(ウコン)、着色料(クルクミン)
使用基準 本品は以下の食品には使用できません。1.こんぶ類、食肉、豆類、野菜類、わかめ類(これらの加工食品は除く)。2.鮮魚介類(鯨肉は除く)、茶、のり類

更新履歴
2021/12/21    更新(INS/E ナンバーについて更新)
2021/11/12 更新(コンテンツを追加)


来歴

 ウコンは、英語ではターメリックTurmericであり、カレーの黄色の元であることはよく知られています。また鬱金(ウコン)として日本薬局方にも収載されているように、特に肝機能への効果を期待される健康食品の素材としてもよく使用されています。ウコンはインド原産で、紀元前からインドで栽培され、伝統医学のアーユルヴェーダにおける生薬や香辛料として長く用いられてきた歴史があります。

その黄色の色素部分を取り出して利用しているのがウコン色素です。天然色素の中では海外でも「Turmeric」もしくは「Curcumin」として使える国が多い色素です。

なおINS分類(E分類)上ではINS100(E100)が「Curcumins(クルクミン類)」、そしてその枝番となるINS100(i)(E100(i))が「Curcumin(クルクミン)」、INS100(ii)(E100(ii))が「Turmeric(ターメリック)」となっています。クルクミンとターメリックの使い分けですが、着色料用途で精製されているのがINS100(i)(E100(i))、精製されていない粗抽出物がINS100(ii)(E100(ii))と分類されています。


構造

 色素の本体であるクルクミンはポリフェノールの一種で、ポリフェノールの基本骨格である芳香族環が2つ、カルボニル基(-C(=O)-)でつながった構造をしています。そのカルボニル基が連なった構造が共役二重結合となり、そこで光の吸収が起き、残った反射した光が黄色として私たちには見えるということになります。この構造はカロテノイドやアントシアニンといった他の天然色素とは異なる独特の形になります。 


特徴

 ウコン色素の色合いは、酸性~中性域では鮮明な黄色を呈するのに対して中性~アルカリ性でやや赤みを帯びた黄色になり安定性も低下する性質があります。またpHや熱に対しては安定ですが、耐光性がやや弱く、透明な包材を用いた食品には適していません。また金属イオンとの共存で色が暗くなる性質があるため、金属製の容器も避けた方がよいとされています。

 染着性は天然色素の中では優れており、特有の風味と香りがあります。通常の色素製剤にはクルクミンの誘導体が含まれており、そのために一部水や熱水に溶ける場合もありますが、純粋なクルクミンは水に不溶で、アルコールに易溶で油脂に可溶です。そのため、アルコールやプロピレングリコールなどの溶媒で抽出したものが色素製剤として使われています。

 食品への用途ですが、沢庵などの漬物、栗のシロップ漬け、グミ・キャンディー・和菓子などの菓子類に用いられています。


機能性素材としてのウコン色素・クルクミン

  クルクミンは着色料としてだけではなく、クルクミンを含むウコンなどは漢方や生薬素材として古くから使われてきました。これまでに抗酸化作用や抗炎症作用などの報告がされています。しかしながら着色で用いる量が機能性を発揮するために必要な摂取量を満たしているかどうかは確認が必要です。またクルクミンは生体への吸収性が少ないともされており、着色料としてのウコン色素も同様の性質があると考えられます。機能性素材としてはその点が改善されたクルクミンも扱われているようです。


株式会社鹿光生物科学研究所ではウコン色素を用いた食品の着色について、これまでに培った様々な知見をもとに、お客様のご要望に沿った色彩の食品開発を支援しております。色調や安定性など、食品の色に関することはなんでもお問い合わせ下さい。

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