(株)鹿光生物科学研究所は食品の分析及び開発受託を請け負う分析機関です。天然着色料の取り扱いには自信があります。

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クチナシ青色素

名称 クチナシ青色素/Gardenia blue
概要 「本品は、クチナシ(Gardenia jasminoides J.Ellis(Gardenia augusta Merr.))の果実から得られたイリドイド配糖体とタンパク質分解物の混合物にβーグルコシダーゼを添加して得られたものである。デキストリン又は乳糖を含むことがある(第9版食品添加物公定書)」
INS No. 164 E No. なし
色調 青~青藍色 染着性
溶解性(水) 溶解性(油) ×
耐熱性 耐光性
金属の影響 なし タンパクの影響 なし
分類 既存添加物/食品添加物公定書
特徴  
ニチノーカラー BLUE-L(液体)/BLUE-B150(液体/耐酸性)/ブルーP(粉末)/BLUE-BP(粉末/耐酸性)/ブルーO(油分散性)
食品への表示例 クチナシ青色素、クチナシ色素、着色料(クチナシ)
使用基準

本品は以下の食品には使用できません。1.こんぶ類、食肉、豆類、野菜類、わかめ類(これらの加工食品は除く)。2.鮮魚介類(鯨肉は除く)、茶、のり類

来歴

 クチナシは中国の書物「神農本草経」にも山梔子として収載されている素材で、漢方原料として消炎、利尿、止血剤として用いられてきた他、飲食物の着色にも用いられてきました。その果実から得られた黄色の色素は日本でも、栗の甘露煮や沢庵などの漬物の着色に、また台湾では紹興酒の着色にも使われているという歴史があります。


 しかしながらその一方で、皮膚にクチナシの果汁がつくと青紫色に染着するために刺青の色素として使われたり、クチナシ黄色素で着色した中華麺が緑色に変色することがあるということが知られていました。その原因物質として1960年代に、クチナシ果実に含まれるゲニポシドという成分がこれらの変色の原因であることが分かりました。 


ゲニポシド

 ゲニポシドは植物が環境ストレスから自らを守るために産生する二次代謝物で、主にクチナシ果実に含まれ、6員環と5員環(六角形と五角形)が融合した構造を持つイリドイドに糖がついた配糖体の構造を持っています。これが植物などに含まれる酵素(β-グルコシダーゼ)の作用を受けると糖が外れてゲニピンというアグリコンになります。そのゲニピンが皮膚や食品のタンパク質と混ざると、ゲニピンとタンパク質中のアミノ基が酸化・重合して青色の高分子を作るというわけです(下図)。クチナシから得られるこのクチナシ青色素は日本で食品添加物(着色料)として認められている数少ない青色の天然色素です。


 このようにゲニポシドは食品の緑変を起こすため、クチナシ黄色素にとっては不純物になりますが、その一方でクチナシ青色素やクチナシ赤色素にとっては重要な原料成分となります。工業的には、クチナシ果実から分離されたゲニポシドをβ-グルコシダーゼで加水分解し、それにタンパク質としてタンパク加水分解物などを作用させて得られます。なおゲニポシドの加水分解物であるゲニピンには胆汁の分泌を促進する生理活性がありますが、現在流通しているクチナシ青色素にはゲニポシドが検出されていないことが報告されています。



色素の特徴

 クチナシ青色素は水溶性で耐熱・耐光性に優れており、刺青にも用いられているようにタンパク質への染着性も持っています。pH3以下になると凝集沈殿する性質がありますが、耐酸性を持たせたタイプの色素も作られています右写真。また乳化により油に分散させるタイプの製剤も作られています。このように天然で工業的にも使いやすい青色色素ですが、残念ながら世界的には知名度が低く、海外でクチナシ青色素を使用できる国は中国、台湾、香港、韓国などに限られています。 


 またクチナシ青色素の利用は青色の着色のみにとどまりません。食品を緑色に着色する場合、緑色の天然色素であるクロロフィルは耐熱・耐光性が弱く、加工食品には使いづらい色素です。また油溶性色素のため、飲料や透明性を必要とする用途には適していません。その場合に、クチナシ青色素にクチナシやベニバナなど黄色系の色素を混ぜて緑色にして食品に使うことがよく行われています。この場合、青色と黄色の割合を変えることでさまざまな色調の緑色を作れるというメリットがあります(下写真)。



クチナシ青色素の様々な色調

 クチナシ青色素にはさまざまな色調があることを御存じでしょうか?(右写真)上でも述べた通り、この色素はゲニポシドと酵素とタンパク質を反応させて得られます。ゲニポシドについては説明しましたが、タンパク質として使われるたんぱく加水分解物とはどのようなものか知っている方は少ないのではないでしょうか。


 たんぱく加水分解物は調味料などにうまみやコクをもたらすために使われるアミノ酸を主とした混合物で、そのアミノ酸の元となるたんぱく質は大豆、小麦やとうもろこしなどの植物や、肉、魚、乳など動物など実に様々な原料に由来しています。つまり、たんぱく加水分解物にはアミノ酸の種類、割合が多種多様なものがあるということを示します。クチナシ青色素がどのような化学構造なのかは実はまだ詳しくは知られていないのですが、タンパク質の持つアミノ酸由来のアミノ基を含む高分子化合物であると言われています。従って、たんぱく加水分解物の違いや反応条件がクチナシ青色素の構造に影響し、その結果様々な色調、特徴を持ったクチナシ青色素ができるということをお分かりいただけるかと思います。


着色例

錦玉羹(琥珀羹)の着色
アメリカンドッグの着色
チュロスの着色
スープの着色
クッキーの着色
チョコレートの着色
あんこ(餡)の着色
練り切りの着色
パンの着色
かまぼこの着色
ホイップクリームの着色
饅頭の着色(3)緑~青色系
乳酸菌飲料の着色
ゼリーの着色
ポップコーンの着色


株式会社鹿光生物科学研究所ではクチナシ青色素を用いた食品の着色について、これまでに培った様々な知見をもとに、お客様のご要望に沿った色彩の食品開発を支援しております。色調や安定性など、食品の色に関することはなんでもお問い合わせ下さい。

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