蒸しパンフルーツサンド

  最近(2021年)、フルーツサンドが話題になっているそうです。フルーツサンド自体は昭和の一時期流行した「フルーツパーラー」のメニューにも入っていたと言われるくらいで比較的昔からあったようです。ここ最近は見た目のインパクトから「インスタ映え」ということと、生クリームなど生ものなので日持ちせず、お土産にしづらい、通販もされていない、ということでお店オリジナルのフルーツサンドは直接行って買わないとならない、という希少性も受けているようです。 

 このフルーツサンドですが、様々なフルーツを使ったりいろいろな並べ方をしたりしていても、パンは食パン、クリームは白い生クリームというのが定番のようです。しかしながら「なんでも着色してみたい」当研究所としては、フルーツサンドのフルーツ以外のところを着色したらどうか?!ということで、簡単にできる蒸しパンで食パンぽくして、それに着色したものを試作してみました。色素はいずれも日農化学工業(株)の製品を用いました。


着色見本


 食パンの生地はベースの色が比較的白いため、各色の色合いが鮮やかにでました。今回のパンは着色した際の見本として試作したためいずれも濃い色付けになっていますが、オレンジであればメロン系、黄色であればバナナやレモン系など、それぞれ野菜や果物をイメージさせるような商品もできるのではないでしょうか。  


Recipe <約10kg分>

<蒸しパン>
   薄力粉          4.3kg   
   ベーキングパウダー    0.2kg
   砂糖           1.0kg
   菜種油          1.3kg
   牛乳           3.7L
   色素(下表参照)

<色素>
※色素濃度は薄力粉に対して 

ベニコウジ色素 ニチノーカラー MNS-R 30g(0.7%)
トウガラシ色素 ニチノーカラー PE-10 13g(0.3%)
クチナシ黄色素 ニチノーカラー YN-30 11g(0.25%)
ベニコウジ黄色素
クチナシ青色素
ニチノーカラー GM-76 43g(1.0%)
クチナシ青色素 ニチノーカラー BLUE-B150 11g(0.25%)
クチナシ赤色素 ニチノーカラー クチナシR-50LB 17g(0.4%)

<作り方>
  ① 薄力粉とベーキングパウダー、砂糖を先に混ぜる。
  ② 菜種油を加え、更に牛乳に溶いた各色素を加える。

  ③ だまがなくなるまでよく混ぜ、型に入れる。
  ④ 中火で蒸す。
  ⑤ 冷めたら縁を切り落として成型する(フルーツサンドにする場合)


株式会社鹿光生物科学研究所では食品の着色についてこれまでに培った様々な知見をもとに、お客様のご要望に沿った色彩の食品開発を支援しております。写真に関すること、色調や安定性など、食品の色に関することはなんでもお問い合わせ下さい。