ドリンクヨーグルトの着色

 前回、2回に分けて乳飲料の着色を行いました(乳飲料の着色①黄色、緑色、青色)乳飲料の着色②(赤色、アントシアニン系色素)が、今回は濃度を変えて試作してみました。1枚目の写真はアントシアニン色素以外、2枚目の写真はアントシアニン系色素です。いずれも日農化学工業(株)の製品を用いました。


 なお今回は全て粉末の色素を使いました。粉末の色素は副原料が少なかったり賞味期限が長いというメリットがありますが、液体に溶かす時にダマになることがあります。その場合、お湯に一度溶かしてから本体に投入したり、本体に少しずつ添加するなどの工夫が必要になります。


着色見本


【非アントシアニン系色素】

 非アントシアニン系色素としてクチナシ黄色素クチナシ青色素ビートレッド(赤ビート色素)トウガラシ色素、混色(クチナシ黄色素とクチナシ青色素による緑色)を使いました。前回は牛乳に着色しましたが、今回はドリンクヨーグルトを使いました。天然色素から見た牛乳とドリンクヨーグルトの違いは、ドリンクヨーグルトの方がpHが低いという点です。しかしながらカロテノイド系など非アントシアニン系色素はいずれもpHの影響を受けないため、牛乳と同じような見た目の結果になりました。  


【アントシアニン系色素】

 アントシアニン系色素としてムラサキイモ色素アカキャベツ色素アカダイコン色素シソ色素を使いました。写真でもわかるように、ベースとなる食品が白い場合、アカダイコン色素はそれ以外の色素と比べて赤味が強く見えます。

同じ色素でも添加量を変えると色合いが変わることがよくわかる写真ではないかと思います。1%というのはだいぶ極端な量で、実際には~0.2%程度で使われることが多いです。またアントシアニン色素はもう少しきれいな赤色を想定していましたが、思ったよりも紫味が強い色合いになりました。今回使ったドリンクヨーグルトのpHを測ると4.4でした。これでももちろんベリー系のイメージなどで使えますが、もう少しpHを下げた方がより赤色が強く発色すると思います。 


Recipe <約10kg分>

<色素> 

クチナシ黄色素 ニチノーカラー Y-S15P

全て
10g(0.1%)
20g(0.2%)
50g(0.5%)
100g(1.0%)

クチナシ青色素 ニチノーカラー ブルーP
アカビート色素 ニチノーカラー ビートレッドCG-30
トウガラシ色素 ニチノーカラー R-GP
クチナシ黄色素・
クチナシ青色素
ニチノーカラー グリーンP-2
ムラサキイモ色素 ニチノーカラー R-M100P
アカキャベツ色素 ニチノーカラー R-K100P
アカダイコン色素 ニチノーカラー R-R200SP
シソ色素 ニチノー 赤シソエキスRA15P


※ニチノー赤シソエキスRA15Pは機能性食品素材扱いの製品です。


<作り方>
市販のドリンクヨーグルト10kgに対して色素を添加してよく混ぜる。
シソ色素は特に乳飲料に溶けにくいので、少量のアルコール(エタノール、配合外)などで一度溶かしてからドリンクヨーグルトに加えるとよい。


株式会社鹿光生物科学研究所では食品の着色についてこれまでに培った様々な知見をもとに、お客様のご要望に沿った色彩の食品開発を支援しております。写真に関すること、色調や安定性など、食品の色に関することはなんでもお問い合わせ下さい。