ギョウザを包む皮は小麦粉と塩と水というシンプルな組み合わせで作られます。生地の色は白が定番ですが、野菜をイメージした緑色や、トウガラシなど辛そうなイメージをつけるために赤色にしたギョウザもたまに見かけます。どこで、もっと様々な色のギョウザを作ってみたらどうか、ということで、天然色素で着色してみました。実際にはまず生地を作る際に使う水(お湯)の中に天然色素を入れてよくもみ合わせ、少し寝かせた後に綿棒で延ばしてギョウザの皮に成型しました。そしてその皮を使ってギョウザを包み、フライパンで焼いたものになります。天然色素はいずれも日農化学工業(株)の製品を用いました。 

 写真には赤色、ピンク色、橙色、黄色、緑色、青色、赤紫色でそれぞれ着色したギョウザの上側と下側(焼き目がつく部分)を載せました。
 トマトやニンジンのような赤色の色合いとしてはアントシアニン系の色素が合っていますが、ギョウザの生地はpHがほぼ中性のため、酸を加えるなどしてpHを酸性に調整しないと綺麗な色合いになりません。アカビート色素はラック色素と同系の色合いを示しますが、熱にあまり強くないため、焼くなど加熱すると退色しやすい特徴があります。その他の色素は小麦粉との馴染みが良く、熱にも強い色素になります。
 ピンクはイチゴや桃などの果物系、橙色やパプリカやカボチャなど、紫は紫サツマイモやベリー類、緑色は野菜系など、それぞれのイメージを提案することができるのではないでしょうか。


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