各種の天然着色料で着色したスープを試作しました。天然着色料は全て日農化学工業(株)の製品を使用しました。

 ベースとしたのは乳白色をした市販のスープの素です。それに天然着色料を加えると、ご覧の通りカラフルな色になりました。

 赤色(橙色)はトウガラシ色素を加えたスープで、ベース色のためやや橙色が強調される色合いになりました。見た目は辛そうに見えますが、トウガラシ色素には辛み成分は含まれていないため、実際には味には影響しません。

 スープといえばコーンスープとされるくらい黄色のスープは定番ですが、ここではクチナシ黄色素、ベニバナ黄色素、パーム油カロテンを使用しました。パーム油カロテンは赤みが強い黄色の色素のため、スープに加えると濃い、しっかりとした味というイメージになります。一方クチナシ黄色素はカロテンほどではありませんが、赤みがある黄色素で、最もコーンスープらしい色あいではないでしょうか。これらの色素に比べてベニバナ黄色素はやや青みのある黄色のため、あっさりした薄味のスープという色合いになります。

 なお青色と黄色を混ぜると緑色になるため、クチナシ青色素とクチナシ黄色素又はベニバナ黄色素の混色のスープを試作しました。野菜スープのイメージになるかと思いますが、黄色の違いにより若干色合いが変わってきます。もちろん、青色と黄色の割合を変えることで、様々な緑色を作り出すことが可能になります。


株式会社鹿光生物科学研究所では食品の着色についてこれまでに培った様々な知見をもとに、お客様のご要望に沿った色彩の食品開発を支援しております。写真に関すること、色調や安定性など、食品の色に関することはなんでもお問い合わせ下さい。